残念系お嬢様の日常
「ごきげんよう。雅様と英美李様」
自分たちの登場で道を開けた生徒達に見下すような強気な視線を向ける英美李様と、作られたような微笑みをたたえた雅様。
「真莉亜様は相変わらず肌が白くて羨ましいですわ」
「まあ、雅様ったら。私、日に焼けると赤くなってしまうので日焼けには気をつけていますの」
けっ! 夏休みは補習と英語の勉強で家からほとんど出れていないからね!
「でしたら、海は真莉亜様にとって危険な場所ですわね」
あー、なにを言いたいのかわかってきましたよ。
ダリアの君の別荘に欠席したことがおもしろくないんでしょうね。
会長からのせっかくのお誘いなのに断るなんてどういう神経しているのかしらってことですよね。
すみませんね。補習で。しかも、家で叱られて遊び禁止になってしまう阿保令嬢ですよ。
「雲類鷲さんは色白で可愛いよね」