残念系お嬢様の日常


「え!?」


振り返れば、普段なら会話に割り込んでくることなんてありえない天花寺の登場に顔が引きつりそうになるのを必死に耐える。


ひえぇぇえ! なんで入ってくるんだ!

しかも、なに言ってくれちゃってるの!


これで嫉妬ゲージが溜まっていって、私がこの二人のどちらかにぐさりとされたらどうしてくれるんだ!


「て、天花寺様! ごきげんよう」

「おはよう、片桐さん。割り込んでしまってごめんね」

「そ、そんな! こうして話しかけていただけるのは嬉しいですわ」

頬をほんのりと染めた英美李様は鋭い視線から上目遣いになっている。


すごい変わりようだ。

声もちょっと高くなっている。これが乙女の恋の力。






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