残念系お嬢様の日常
天花寺と同じクラスのため流れで一緒に教室へと向かうことになってしまった。
この人と歩くと注目を浴びるので刺すような視線に落ち着かない。
学院の人気者はいつもこうなのかな。だとしたら大変だ。
「ごめん、さっき邪魔だったかな」
「いえ、お気になさらず」
「ちょっと彼女に言い方が棘を含んでいる気がして割り込んじゃったんだ。返って火に油を注いでいないといいんだけど」
嫌味に気づいて、あえて割り込んできたことに驚きだった。
のほほんとしている天花寺はそういうのには疎いのかと思った。
まあでも、確かに一瞬火に油注ぎかけていたけどね。天花寺が雅様に声をかけたことによって、機嫌は直ったみたいだし。
最後の一言は、おそらくそれが言いたくて私に話しかけてきたのだろう。
一体なんのことについてなんだか。
思い当たりすぎてわからないわ。