残念系お嬢様の日常
まずはスミレがどこに行く気なのかを探る必要がある。
どうやらスミレは東校舎の三階に用があるみだいだった。
もしかして第二茶道室に行く気なのだろうかと思っていると、違和感を覚える。
……この様子だとスミレが向かっているのは第二茶道室ではない。
瞳も気づいたようで困惑した様子で彼女の背中を見守っている。
驚くのも無理はない。
だって、向こう側には————
「……瞳、もしかして」
「どうしたの真莉亜」
「スミレがおかしかった原因ってやっぱり恋煩いじゃないの!?」
「へ?」
だって、だってだって!
スミレが入って行ったのは〝カウンセリングルーム〟だった。
カウンセリングルームといえば景人がいる部屋だ。
まさかスミレが景人と密会をする仲だったなんて!
原作通りの展開なのかと思っていたけれど、読みは外れたみたいだ。