残念系お嬢様の日常
「まったくけしからん!」
「え、」
「学校でいちゃつく子に育てた覚えはないわ! まさか景人が相手だったなんて私たちに言ってくれないなんて水臭いと思わない!? だってカシフレなのに! べ、別にうらやましいなんて思ってないわよ」
「真莉亜、落ち着いて。まだそうとは決まったわけじゃないし」
スミレがリア充だったことに驚いているわけじゃないんだからね。
べ、別にあんなに可愛いんだし?
男苦手って言ってても、恋くらいするかもしれないし?
前世でも男子苦手〜と言いつつ、一番最初に彼氏できてた子がいたわ。……いや、別にいいけど!
けど、せめて私たちにくらい話してほしかった!
「乗り込むわよ、瞳」
「え、本気で!?」
廊下を進んで行く私の後ろを困惑した様子の瞳がついてくる。
自分の鼻息がいつもよりも荒い気がするけれど、淑女としての嗜みとかそんなものに今はかまっていられない。
いつの間に二人が親密になっていたなんて!
瞳はスミレになにかあったんじゃないかって心配していたのにリア充スミレになっていただけなんて!
「スミレ! 覚悟!」