残念系お嬢様の日常


勢いよくカウンセリングルームのドアを開けると、部屋の中にはスミレと景人、流音様がいた。


……あれ? 二人っきりじゃないの?


「ぅえええ!? ど、どうして真莉亜と瞳がここに!?」

「最近様子が変だって瞳が心配してるのよ。てっきり密会でもしているのかと思ったけれど……」

「ええ!? み、密会!?」


スミレは目を大きく見開いて、硬直している。

この様子だと景人となにかあるわけじゃないのだろうか。

それにしてもスミレになにかあったことには違いないのに、瞳や私ではなく景人と流音様のところに行っていることが気にかかる。



「とりあえず、みんな座れば? で、お前もこの際だから親しいやつらにちゃんと相談しろよ」

景人は複雑そうな顔をしているスミレに呆れたように声をかけた。

やっぱりスミレになにかがあって、それを景人たちは知っているんだ。








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