残念系お嬢様の日常



「スミレが元気ないと調子が狂う! さあ、さっさと吐きなさい! ぐえっとね!」

「だから、座れよ。ぐえとか言うなよ、令嬢が」

「顔もすごいことになっているぞ。顎がしゃくれている」

景人と流音様のツッコミは置いといて、うずうずとしている私の横にいた瞳が躊躇いがちにスミレの名前を呼んだ。



「もしかして……私たちには話しにくいこと?」

スミレの大きな瞳が揺れる。

咄嗟に視線を下げたスミレはスカートをぎゅっと握りしめて、消えそうな声で呟くように話し出した。



「……じ、実は……その、少し前から変なメッセージが届くようになったの」

————スミレの携帯電話宛に少し前から届くようになったらしい知らない宛先からのメッセージ。


最初は「ずっと貴方を想っている」「貴方の笑顔に癒されている」など好意を伝えてくるものだったらしい。


怖くて無視をしても何度も何度も送られてくるメッセージ。拒否設定をしてもすぐに別のIDから送られてきたらしい。






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