残念系お嬢様の日常


「この写真、多分ここの隣の部屋の窓から撮られたんじゃないかって思ったから、最近隣の部屋にきた人に心当たりはないか俺に聞きに来たらしい」

「隣の部屋って……?」

「仮眠室」

仮眠室なんかあるの。保健室に行けばいいじゃん。

という私の心境を悟ったのか、景人は「カウンセリング受けに来た人が体調悪くなったりしたら、そこで休ませるんだと。普段はほぼ使われていないみたいだけどな」と説明してくれた。


仮眠室で撮られた可能性が高い画像が送られてきた日付は七月か。

試しに廊下に出て、隣の仮眠室のドアノブに手をかける。どうやら鍵がかかっているらしく、開かなかった。つまりはここに出入りできる人物は限られている。


カウンセリングルームへと戻ると、スミレが小動物のような潤んだ瞳で見上げてきた。

早いところ助けてあげたい。けれど、犯人はわかっていても決定的な証拠を掴まないと相手はしらばっくれるだろう。





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