残念系お嬢様の日常
「これ、なんだと思います?」
薔薇のブローチを一木先生の前に見せると、わけのわからないといった様子で眉を寄せた。
「録音しているんですよ。ずーっとね」
「なっ」
「それに私が先ほど撮影した画像も、よく撮れていますよ。一木先生が怯えるスミレの腕を掴んでいるところ。この画像と音声だけで、十分問題だと思いますけど」
私のことを嫌悪する眼差しを向けてくる一木先生。
これで私のことを恨んだとしても、原作では彼と絡んでいないので真莉亜の死とは関係はないだろう。だからこそ、思う存分できるのだ。
「伯父様に報告したら、貴方はもう働けなくなってしまうわね」
この学院にいる生徒たちの家を敵に回すということは、おそらくは相当なことだろう。
実際働けなるのかは知らないけど、私の脅しは効いたらしく青ざめている。