残念系お嬢様の日常
「ねえ、先生。伯父様に報告して全生徒と親に知られるのと、自主的にお辞めになるのどちらがいいかしら」
「……それはどっちにしろ辞めるということじゃないか」
「この後に及んでなにをおっしゃっているの? 生徒の写真を盗撮して、メッセージや写真をしつこく送り続けて精神的に追い込んだストーカー変態教師に私は一応かなり優しい対応をしてあげているのよ。ご自身の状況をおわかりですか」
まるで自分の非を理解していない様子のこの男に苛立ちを覚える。
まあでも、この男を唆した人物がいるんでしょうけど。
だからこそ、ここまで拗れているんだ。原作にはない、裏にいる人物。
そいつを突き止めることも、今回の目的だ。
「ところで、一つ聞きたいことがあるのだけれど、この画像は誰が貴方に送ってあげたのかしら」
携帯電話を取り出して、あらかじめ送ってもらっておいた画像を一木先生に見せる。
「だ、誰って……」
「これは貴方が撮るのは不可能なはずです」
「……っ」
「言えるわよね。言わなければ、貴方のしたことを伯父様や教師、生徒、保護者に全てを伝えるわ」
スミレに送った画像の中で、確実にこの人では撮影できないものがあった。それを撮ることができた人物は限られている。
さて、誰の名前が挙がるのかしら。