残念系お嬢様の日常


「ひ、ひぎゅああああああぁあああ!」

「い、いちご……」

おそらく呟いたのは天花寺だった。

慌ててスカートを押さえると、目の前の校舎からこちらを見ていた天花寺が顔を真っ赤にして狼狽えている。雨宮も桐生もこれには目を丸くして驚いている様子だった。


最悪だ。本当に今日は最悪だ!

木に登って枇杷を食べているのを見られ、パンツまで見られてしまった。しかも、今日はいちご柄だった! うぎゃああああああああ!


「デリート!!」

頭がいっぱいいっぱいになって、とにかく思いついた言葉を叫び、枇杷の木から飛び降りた。


「ふぐぇ!」

……着地に失敗した。

つんのめって顔が地面に着地してしまったけれど、そんなことに構っていられなくて、とにかく走ってその場を去った。本当、なんて日だ! パペットちゃんの予言は当たっていたらしい。


この後、気分が優れないという理由で私は花会を休んだ。





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