残念系お嬢様の日常
「真莉亜様ったら、怖いわ。私、なにも悪いことなんてしていないわよ」
白々しくも困惑したような微笑みで返してくる雅様に苛々してきてしまうけれど、ここは耐えないと。
「怖いのは貴方よ。あの水着の写真は、ダリアの君の別荘で撮影されたものよ。招待されたのは花ノ姫だけ。一木先生からの証言もあるわ」
それもバッチリ録音済みよ。
水着の写真を見つけた時点でおかしいと思っていた。
だから、一木先生が花ノ姫の誰かと繋がっているとわかったのよね。
雅様は鬱陶しそうにため息を吐いて、腕を組むと目を細める。
先ほどのわざとらしい態度とは打って変わって、面倒な会話を切り上げたいように見える。
「……それが? 私が犯人だとして、真莉亜様はどうしたいのかしら」
彼女も察しているだろうけれど、私がしたいのは咎めることではない。
雅様に謝罪ではない別のものを求めている。
「私、先輩方に貴方たちが不審な動きをしたり、問題を起こしたら報告をしてほしいと言われているの。これってどういうことかわかるかしら」