残念系お嬢様の日常
わずかに雅様の眉が動いた。
まさか私がダリアの君たちに個人的にお願いされているとは思わなかったのだろう。
それほど自分たちの言動は目の余るもので、花ノ姫として疎まれる存在になっていたことに気づいていなかったのね。
まあ、原作だとそれは先輩方の警戒はすべて真莉亜に向けられていたから、彼女にはこの危機はなかったはずだ。
上級生たちは花ノ姫であることを誇りに思っている人が多い。
そして、ダリアの君は特待生への差別を快く思っていないようだった。
優遇されている花ノ姫のトップに君臨している以上は完全なる平等を望んでいるわけではないだろうけれど、虐めなどが学院内で起こることは防ぎたいのだろう。
そして、学院の顔ともいえる花ノ姫が虐めの主犯だなんてことは最も防ぎたいことのはず。
だからこそ、花ノ姫に泥を塗りかねない雅様たちは危険視されているのだろう。
「雅様、キッカケさえあれば先輩方は貴方を花ノ姫から除名する気よ。貴方たちは少し自由に遊びすぎたのよ」
「……っ」
「それってどういうことかわかるわよね」