残念系お嬢様の日常
「……もしもし」
『おつかれさま』
「……そっちもね」
『こっちは君より大変じゃないよ〜』
いつも通りの軽い口調。
今はそれが有り難かった。緊張の糸が切れて、ため息が漏れる。
自分が思っているよりも疲れているみたいだわ。今日は早めに寝よう。
『第二茶道室、来れる?』
「嫌って言っても待ってるんでしょう」
『いいもの持って待ってるよ』
いいものってなによ。気になるじゃない。
乗せられているとわかっていても、足が第二茶道室の方向へと向かってしまう。
スミレたちには先に帰ってもらったけれど、メッセージが届いている。
今は疲れて返事はできそうにない。家に着いたら返そう。