残念系お嬢様の日常
窓から夕日が差し込む廊下を歩きながら、目的地へと足を進める。
この時間だと東校舎には誰もいないみたいね。
普段は私たちがいるけれど、今日は誰も残っていないはず。
日中はカウンセリングルームにいる景人もさすがに放課後になれば帰っているだろう。
第二茶道室のドアを開けると、にっこりと微笑んでいる雨宮が畳の上に座っていた。
この人は相変わらず緩い雰囲気を身に纏っているけれど、なにを考えているのかわからないわね。
でもまあ、すべて知られているから一緒にいるのは楽だけど。
「……終わったわよ」
「うん。おつかれさま」
雨宮の隣に座り、無事に終えたことを告げる。
今回私と雨宮はそれぞれ目的があり、別々に動いていたのだ。
どうやら彼の方も終わったみたいだけど、上手くいったのかしら。