残念系お嬢様の日常
「その可能性もあるね。結局のところ君を陥れたいわけだからね。君がされて困ることをするんじゃないかな」
相手が動く前にこっちが動かないといけないわね。
まあでも、雨宮が撮ってきた証拠で十分だろう。
それを使って明日にでも追い詰める。
そして、目の前で写真を消させる。それしかないわね。
浅海さんとの写真を貼られれば、噂は確実に立てられるだろう。
原作の真莉亜ならそんなこと絶対に嫌がるはずだ。
けれど、今の私は浅海さんを嫌っているわけでも、特待生を差別しているわけでも、天花寺たちの傍にいることを気に入らないわけでもない。
だから、実際ツーショットを撮られたって焦ることはないけれど、噂を立てられて注目されるのはいい気持ちしないわ。
防げるなら、とっとと防いで私を排除しようとしている人物を止めたほうがいい。
あーもう、考えるの疲れてきたわ。
ため息を吐いた私の横で、雨宮がなにかを差し出してきた。
「頑張った雲類鷲さんにプレゼント」