残念系お嬢様の日常
雨宮に背中を向けて、「当然でしょ。先に帰るわよ」と告げて第二茶道室を出る。
帰りは別々にしないと目撃されたら噂が瞬時に広がってしまう。
おそろしい。雨宮ファンに魔女狩りをされてしまう。
廊下の窓から差し込む西日に目眩がしそうなくらい眩しくて、季節は秋に移り変わってきているというのに照らされた頬が燃えるように熱かった。
窓ガラスに反射した自分の顔を見て、雅様が言っていたことを思い出す。
……私のことを嫌っている人は何人いるのかしら。
けれど、今回雅様を退場させたことは黒幕にとっては痛手だろう。
花ノ姫であり、ある程度権限のある雅様は動かしやすかったはず。
そして、もうひとりも。
どうして私に恨みがあるのかは知らないけれど、やられっぱなしでなんかいないわよ。