残念系お嬢様の日常
希乃愛は無理して明るく振舞っているようでぎこちなさを感じる。
久世のことが本当に大事なのね。幼い頃から一緒にいるわけだし、家族のような存在なのかしら。
久世も希乃愛の前では優しく笑ったりするのかしらねぇ。想像もつかないけれど。
『あ、そういえば真莉亜様は雪花祭でのパートナーをお決めになりました?』
「え、ええっと、まだよ」
心臓が大きく跳ねて、顔を引きつらせた。
今一番聞きたくないワードだわ。
十二月にある高等部のイベントの一つ、雪花祭。
その年、最も優秀な生徒が雪のような白い服を着て、表彰される。
選ばれるのは各学年ごとに毎年ふたり。
そして、表彰式のあとにはダンスパーティーがあるのだ。