残念系お嬢様の日常


「いつもとは違うことはなかった!?」

たとえば、影でコソコソ笑われていたりとか!


「うーん……別に。強いて言うなら天花寺が」

「え」

「僕のことを見て『わざとじゃなかったんだ!』とか言ってきて、桐生に何故か叱られてた」

それってつまり……いちごパンツのことですかね。まあ、それでも桐生が止めてくれたってことで、蒼には知られていないし広まってもないってことか。よかった。


「まあ、あの人変だし。どうでもいいけど」

え、天花寺って変じゃないよね。キラキラ王子系キャラで眩しいくらいの正統派ヒーローだと思う。私も漫画じゃない世界ではほぼ関わっていないからわからないけど。


「ちょっと犬っぽいし」

「犬?」

「ゴールデンレトリーバーみたいな感じ」

「そ、そう」

蒼のたとえはよくわからないけれど、きっと人懐っこいということなのだろう。

そんな会話をしていると、一通のメールが届いた。


……うわお。

差出人は、久世 光太郎。
どうやら婚約者殿とお会いしなければいけない義務デーのお知らせみたいだった。





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