残念系お嬢様の日常


羨ましいこった。私を遠巻きに見ている殿方はまだ勇気を出せないのかしら。

試しに一人で廊下を歩いて、隙を作ってみるのはどうかしら。

女は少し隙があるくらいがいいって聞いたことあるわ。


そしたら、誰か申し込んでくるかもしれないわよね!




なんだか桐生が哀れんだような眼差しを向けてくるんだけど、やめて。


別に私必死なんかじゃないから!

桐生の誤解をどう解こうかと考えていると携帯電話が振動した。

メッセージの相手は珍しいことに久世だった。

普段はお土産のことや会う前日に何時に向かうなどのやりとりくらいしかしない。

それに放課後に連絡が来たのは初めてだ。なにかあったのかしら。




「は……?」



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