残念系お嬢様の日常
携帯電話の画面に表示された文面に眉根を寄せる。
《今、お前の教室にいる(雛子さんと一緒)》
それはいったいどういう状況なのよ。雛子というのは私の伯母だ。
気性が荒く、傲慢な伯母様は面倒な人なのでできればあまり関わりたくない。
久世のことを気に入っているらしいけれど、学校で一緒にいるだなんてどういうことなのだろう。
それにこれは私のことを捜しているってことなのかしら。
「どうしたの、真莉亜」
「なんでもないわ」
不思議そうにしている瞳に微笑みを向ける。
ここにいればバレない可能性が高い。できれば会わないでおきたい。
返信もしていないのに続いてメッセージが届いた。
「は!?」
《今、高等部の校舎を出た(この写真に覚えはあるか)》