残念系お嬢様の日常
伯母に第二茶道室にみんなで集まっていることを知られたくはない。
楽しいこの空間をあの人なら台無しにして、浅海さんの居場所を奪おうとする可能性だってある。
きっと私にも付き合う相手を考えろとか言ってきそうだ。
それならここの場所がバレる前に、違う場所で待っていたほうがいいわね。
「あの、用事ができたので少しの間抜けます」
私の突然の発言にみんなはきょとんとした表情で固まっている。
そりゃ事情もなにもわからないし、意味がわからなくて当然よね。
雨宮だけはただごとでないのを察したのか、普段の微笑みを消して静かに私のことを見つめていた。
その視線から逃れるように第二茶道室から出て、あえてひとつ下の階へ向かう。
そして久世に自分の居場所を伝えるメッセージを送った。