残念系お嬢様の日常
つまり伯母様は私と浅海さんが深い仲だと誤解しているようだった。
「好奇心で違う世界に興味を持ったのかもしれないけれど」
と勝手な憶測をさも事実のように私に話してくる。
私が特待生の浅海奏という〝男の子〟に興味を持ち、親しくなり、惹かれあっている。
けれど、その興味は一時的なものですぐに住む世界が違うことを思い知るはずだ。
そして、私が今していることは恥なのだ。そう話してきた。
「伯母様、誤解されています。私は彼とは本当にお友達ですわ」
「……たとえ、本当にご友人だとしても、それも恥には変わりないわ」
どうしてこの人はこうなのだろう。
人との関わり合いを身分で決める。
利用価値がなければ意味がないのよと幼い頃に私に教えてきたことを思い出す。
あの頃は、私の教材は伯母様の言葉だった。