残念系お嬢様の日常
「あなたはなにも悪くない。だから、謝る必要なんてないのよ」
「でも……」
「この学院にいたら、きっとあなたにとって理不尽なことがたくさん起こるわ。だけどね、自分に非がないことで頭を下げたりしてはダメよ。あなたは成績が良くて特別に受け入れられた生徒なの。だから堂々としていて」
浅海さんが謝ることではないし、悪いのはあんな風に酷いことを言った伯母様だ。
これからもここで生徒として生活していくのなら、浅海さんは萎縮してしまうのではなく、特待生として堂々としているべきだ。
ここにいる生徒たちは親の力で入った人ばかりで、自分の学力で入学できた浅海さんはすごいことなのだからそれを誇るべきだと私は思う。
「ありがとう、雲類鷲さん」
最初は自分が死なないためにって思っていたけれど、
いつのまにかこの場所は居心地が良くて友達って思える存在がたくさんできて、
改めて死にたくないって思うようになった。