残念系お嬢様の日常



「おそらく皆様は聞いていたと思いますが、蒼のことは他言無用でお願いいたします」


私と蒼が本当の姉弟ではないことは、あの会話から悟っただろう。

雨宮は知っていたけれど、他の人は知らなかったはずだ。

生徒で知っているのはここにいる人と、久世と希乃愛だけ。黒幕もおそらくは知っているだろうけど。



「わかった。約束する。勝手に来て聞いてしまってごめんね」

天花寺は申し訳なさそうに謝ってきた。

おかげで助かったし、もう聞いてしまったことは仕方ない。



「ご、ごめんなさい! スミレも立ち聞きなんてデリカシーのないことをしてしまったわ」

スミレに続き、みんなが謝ってきたので「秘密にしておいてくれればいいから、大丈夫」と答える。


私の様子もおかしかっただろうし、きっと心配かけてしまったのだろうな。




< 469 / 653 >

この作品をシェア

pagetop