残念系お嬢様の日常


「どうかしましたか」

「譲を連れて医務室へ行ってあげて」

「へ?」

「さっき止めたとき、あの人の爪が刺さったみたいなんだ。本人は隠しているみたいだけど、少し血が出ているのが見えたから」


伯母様の爪結構長いし、ジェルネイルをしてキラキラしたストーンなどがついているから刺さったら痛そうだ。


本当雨宮ってわかりにくい。

今だってなんともなさそうに笑っていて、さりげなく手も隠している。



「俺が手当てしてもいいんだけど、きっと譲は雲類鷲さんのほうがいいだろうから」

「……そうでしょうか。きっと誰にもバレたくないのでは?」

「まあ、そうかも。譲は昔から自分が我慢すればいいって言っていたから、隠すのが癖になっているのかもね」



< 471 / 653 >

この作品をシェア

pagetop