残念系お嬢様の日常



「特待生である彼女のことをよく思わない人もいます」

降り注ぐ夕日の熱さを感じながら、薄く笑みを零す。


「でも、浅海さんには私たちがいます。ですから、お兄さんは見守ってあげていてください」

浅海さんが大事な友達だと言ってくれたように、私にとっても大事な友達だ。

だから浅海さんになにかしようとしている人がいたら守る。


まあ、原作では私が嫌がらせしていたわけだし、浅海さんを追い込むような嫌がらせをする人は出てこないだろうけど。


少なからず彼女のことをおもしろく思っていない人もいるだろうから、完全に気を抜いてはダメだろうけどね。




「ありがとう」

お兄さんの強張っていた表情が少し和らいだ。


夕焼けに染まるお兄さんの笑顔は眩しかった。





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