残念系お嬢様の日常
「君と蒼くんが実の姉弟ではないってことが広まってる」
どくんと心臓が跳ねる。
雨宮の言葉を脳内で反芻させて、ようやく理解したときには指先が微かに震えていた。
「え……どういうこと? 広まってるって、どうやって……」
「まだ正確なことはわからないけれど、朝登校した時には生徒たちが噂しているのが聞こえた」
大きく脈を打ち始める鼓動の音が五月蠅いくらいに全身に伝わる。
背中に汗が滲む。
嫌な視線の理由は私と蒼が実の姉弟ではないという噂が流れているからだったんだ。
「そ、そんな……どうしよう。蒼が……」