残念系お嬢様の日常
伯母さんは姉さんがなにを言っても傷つかないと思っているのだろうか。
ひどいことを言われれば誰だって傷つくのに、伯母さんは姉さんを〝人形〟のように扱う。
いけないと思いつつも、生けてあった薔薇を一輪拝借して姉さんに差し出す。
『わるい子なんかじゃないよ』
伯母さんは姉さんのことを〝出来の悪い子〟だとよく言っていた。
その度に姉さんは唇を噛み締めて耐えていた。
きっとそれは母さんたちも気づいていない。
伯母さんは常に姉さんや俺に当たりが強いけれど、言葉で貶すときは母さんたちがいないことが多い。
『でも……うまくできないもの』
『なら練習すればいいよ。ね?』