残念系お嬢様の日常

そして、彼らが動きだす

※蒼視点
***



登校してから学院内の雰囲気がおかしいことには気づいていた。

正しくは、俺や姉さんに向けられる視線がいつもと違っていた。

その理由はわざとらしく声を大きめにして話している生徒たちのおかげですぐにわかった。


俺と姉さんが本当の姉弟ではないという話が広まっている。

誰が広めたのかはわからない。


この間聞いた久世の話だと伯母さんが浅海と姉さんが親しくしているのを知って、放課後に会いに行ったらしい。


そのときに、姉さんを叩こうとした伯母さんを天花寺と雨宮が止めたそうだ。


その二人なら、会話が聞こえていただろうから知られただろうって久世が言っていた。


居心地が悪いのでとりあえず、一階の窓から中庭に出て、草の上に座る。

ここなら、あまり人には見つからないだろう。



さてと、これからどうしようか。






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