残念系お嬢様の日常


姉さんには申し訳ないな。

きっと今頃姉さんも居心地が悪いだろう。


花ノ姫である姉さんがこんな形で注目を浴びるのはまずいかもしれない。



こうして広まる可能性はあるってわかっていたつもりだった。

できるだけ雲類鷲家や姉さんに恥をかかせないように成績は上位を保っていたし、対人関係も悪くはなかったはずだ。


それなのに俺が雲類鷲家の養子だとわかった瞬間から、生徒たちの見る目は変わる。


「どうりで似てないと思った」

なんて言っている人もいたけれど、本当の姉弟じゃなくとも親戚だから血は繋がっている。


俺への当たりが強くなるのはいい。


だけど、姉さんにだけは迷惑をかけたくなかった。


どう振る舞えば、姉さんを守れるだろうか。



自分にできる最善を考えなくてはいけない。






< 510 / 653 >

この作品をシェア

pagetop