残念系お嬢様の日常
「ぅあ! ま、間違えた。あれ、おかしいわ。ラムネの袋が入っていたはず……あ、この間食べてしまったんだったわ」
水谷川さんが干し梅とかラムネを食べているって変な感じだ。
姉さんの親しいということもあって、彼女も相当変わっていそうだな。
「ありがと。貰ってもいい?」
「え、あ、はい……どうぞ」
袋を開けて、干し梅を口の中に放り込む。
甘じょっぱい。
前に姉さんにもらって食べたことがあったから、食べるのは二度目だ。
食べてみると案外クセになる。
「ごめん、気をつかわせてしまって」
俺とあまり関わったことがない水谷川さんがわざわざ接触してくるのは、きっと噂を聞いたのだろう。
俺と姉さんが本当の姉弟じゃないと知って、水谷川さんはどう思ったのかな。