残念系お嬢様の日常


「どうして私にそんなに冷たいのかしら。私、英美李様になにかしました?」

そこまで私のことを嫌う理由をそろそろ教えてほしい。

私としては彼女個人に特別なにかをした記憶はないし、原作では同じ派閥だったはずだ。

けれど、いつのまにか敵意を向けられていたようだった。



「今まで中等部の子を使って裏でいろいろとやっていたのは英美李様よね」

雨宮が中等部の子から得た証拠は〝英美李様〟とのやりとり。

私を花ノ姫から除名することができれば、彼女達を推薦してあげると言ってプールの一件を起こさせたのが英美李様だ。

そして、私と浅海さんの画像を伯母様に送りつけたのも彼女だろう。



「貴方……婚約者がいるそうね」

「ええ」

「婚約者がいるのに天花寺様に近づいて、庶民の男にも色目をつかうなんて軽蔑するわ」

私を睨みつける英美李様。

その様子になんとなく察した。


つまりはそのことが気に入らなくて、ますます私を陥れたくなったのね。




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