残念系お嬢様の日常


自分でも恐ろしいことを言っているなという自覚はあるけれど、このチャンスを逃すわけにはいかない。

彼女の後ろにいる人物が黒幕のはずだ。



「ここの理事長の姪だもの。それに会長たちにも好かれているわ。私の言葉と貴女の言葉、どちらを信じる人が多いかしらねぇ」

「……なんで、そんなこと聞きたいの」

「貴女に質問権はないわ。さあ、答えなさい」

一木先生、雅様、中等部の子達、英美李様を使っている人物はおそらく同じ人。

雅様にも正体を見せていないから英美李様も知らない可能性が高いけれど、なにか手がかりは聞けるかもしれない。



「っ、知らないわよ!」

「除名されたいのね」

「ち、違う! 本当に知らないの!」

おそらく写真を撮ったのは一木先生だ。

そしてそれを雅様が受け取り、黒幕まで流れた。

黒幕がわざと英美李様に渡して煽ったってことでしょうね。



「だって、匿名で送られてきたんだもの。それで、中等部の子たちを使って一緒に貴女を陥れましょうって……」

やっぱり手口は雅様のときと似たような感じか。

英美李様はわずかに身を引いて、椅子をずらすと私から少し距離をとる。


すっかり怯えられているみたいだ。





< 550 / 653 >

この作品をシェア

pagetop