残念系お嬢様の日常


朝別れてから会っていないけれど、絶対に蒼はこの噂を耳にしているし、学院内で居づらい思いをしている。

優しい大事な弟を苦しめたことは許さない。


「次はないわ。————怪しい動きをすれば確実に除名する」


英美李様の顔を強引に上げさせて、少し低めの声で怒りを吐露するように伝える。

そして、勢い良く英美李様に頭突きした。


「いっ!?」

鈍い音がして痛みが私にまでくるけれど、これくらい耐えられる。

石頭でよかった。



英美李様は相当痛かったらしく、無言で悶えている。


その隙に、捨て台詞のように「覚悟していなさい!」と言って教室を出た。






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