残念系お嬢様の日常
「真莉亜」
私を呼ぶ瞳の声が聞こえる。
「よく聞いて」
頬に手を添えられて、少し強引に上を向かされた。
真剣な表情の瞳と視線が交わる。
「私は大事な友達を傷つける人を許さない。その友達の中には真莉亜も入っている。一人で抱えないで私たちを頼って。私は私の持つ力を使って、守ってみせるから」
瞳はやっぱりかっこいい。
瞳の言葉には力があって、女の子なのに童話の中の王子様みたいにキラキラとしている。
私にくれる言葉はどれも本気なのだと伝わってきて、視界が僅かに歪んでしまう。
「ストレス溜まったらカシフレ活動で発散しましょう!」
「いや……ここは呪いで対抗するべきだな」
スミレと流音様の会話に少し笑ってしまった。
彼女たちは相変わらずだ。
だけど、きっと心配してくれていたからここにいてくれたのだろう。