残念系お嬢様の日常
『————大丈夫?』
「ええ」
瞼をきつく閉じて、あの人の姿を思い浮かべる。
私に見せていた顔は全て嘘だったのかしら。
そう思うと、胸に鈍い痛みが広がり切なくなる。
「それで、することは決めてるの?」
「……そうね。誰が犯人であろうと、きちんと話をつけにいかなければいけないわね」
おそらくはあの人が原作で雲類鷲真莉亜を殺した。
この世界で私を陥れようと裏で動いていたのも同一人物だろう。
相手が誰であろうと陥れようとしていた犯人なのなら、今まで振り回されてきたシナリオを終わらせてやるわ。