残念系お嬢様の日常
「どうかしら。けれど、どちらが選ばれても、ダンスの相手は変わらないわ」
「詩央里ってば、また私と踊るつもり?」
「もちろんよ」
ふたりともパートナーの申し込みはかなり来ているだろうけれど、受ける気はないってことなのかな。
まあ、確かに必ずしも異性とパートナーにならないといけないわけでもないんだよね。
……別にぼっちだっていいし。寂しくないし。
「紅薔薇の君は? パートナーは決まった? 貴女だったら選び放題なんじゃないかしら」
撫子の君に「おほほ」と笑いかけて誤魔化しておく。
誰からも申し込みが来ていないなんて言えません。只今募集中でございます。
***
ふたりと話が終わったので、残りの昼休みはみんながいるであろう第二茶道室で過ごそう。
そう思って、第二茶道室へ行くとなにやら緊迫した空気に包まれていた。
「どうして!?」