残念系お嬢様の日常
***
「ちょっと聞いているの! ハルト兄様!」
「うん、聞いているよ。ほら、スミレ。こっち向いて」
一眼レフのシャッターが切られる音が聞こえてくる。
さっきからこの光景はおかしいと思うのだけれどツッコミを入れにくい。
放課後、スミレの家にお邪魔して初めて三番目のお兄さんのハルトさんと対面した。
にこやかで優しそうなお兄さんといった第一印象で、やっぱり美形だった。水谷川家おそるべし。
「噂の真莉亜ちゃん、はじめまして」なんて言われたけれど、いったいなんの噂なのか怖くて聞けず、挨拶をして、三人でティータイム。
スミレが早速本題の瞳の婚約話をすると、すでに知っているようだった。
けれど、ハルトさんは何故か一眼レフを手に持って、スミレをあらゆる角度から撮り始めた。
もう、真莉亜ついていけない!という感じで、お手上げな私はただ呆然と兄妹のやりとりを眺めている。
スミレ曰く一番まともなお兄さんらしいけれど、あとふたりのお兄さんはいったいどんな奇行をしているのかしら。
「ハルト兄様、瞳を幸せにしてよ!」
「それは難しいかな」
先ほどからこの会話の繰り返しだ。
「ちょっと聞いているの! ハルト兄様!」
「うん、聞いているよ。ほら、スミレ。こっち向いて」
一眼レフのシャッターが切られる音が聞こえてくる。
さっきからこの光景はおかしいと思うのだけれどツッコミを入れにくい。
放課後、スミレの家にお邪魔して初めて三番目のお兄さんのハルトさんと対面した。
にこやかで優しそうなお兄さんといった第一印象で、やっぱり美形だった。水谷川家おそるべし。
「噂の真莉亜ちゃん、はじめまして」なんて言われたけれど、いったいなんの噂なのか怖くて聞けず、挨拶をして、三人でティータイム。
スミレが早速本題の瞳の婚約話をすると、すでに知っているようだった。
けれど、ハルトさんは何故か一眼レフを手に持って、スミレをあらゆる角度から撮り始めた。
もう、真莉亜ついていけない!という感じで、お手上げな私はただ呆然と兄妹のやりとりを眺めている。
スミレ曰く一番まともなお兄さんらしいけれど、あとふたりのお兄さんはいったいどんな奇行をしているのかしら。
「ハルト兄様、瞳を幸せにしてよ!」
「それは難しいかな」
先ほどからこの会話の繰り返しだ。