残念系お嬢様の日常
天花寺様の趣向疑惑も心のノートにしっかりとメモを残しておきましょう。
それにしてもやはり目の保養になる方々だわ。仲睦まじくお話しされているのが絵になるわ。イラストにしていただけないか今度こっそりお願いしてみようかしら。
「えーと、あとは……へぇ。放課後になると東校舎の三階には日本人形のような女の子の霊が出るねぇ。だってよー、拓人」
「……あっそ」
「つれないなぁ」
含み笑いをしながら話されている雨宮様のご様子だとこの件に思い当たることがあるように見えるわ。
お話を振られた桐生様は不機嫌そうに眉根を寄せて、外方を向かれてしまった。
「この霊に関して何かご存知なのですか?」
「んー、そうだなぁ。触らぬ神に祟りなしってことだけ言っておくよ」
つまりは思い当たることがあるけれど、触れるなということ。
気にはなるけれど、この記事は空いたスペースの穴埋めとして書いたものだから、私たちの活動にはあまり重要ではない。
雨宮様の仰るとおり、この件には触れないでおきましょう。
ああ、本日はとても貴重な情報を入手できましたわ。
早く皆様にご報告しなくては。
それでは、ごきげんよう。