残念系お嬢様の日常
***
天花寺と別れ、一人とぼとぼと誰もいない廊下を歩く。
携帯電話の画面に表示されている彼の連絡先。
このままなにもしなかったら伝わらないままだ。
勇気を振り絞って、電話マークを人差し指で押す。
コール音が振動して伝わって来るたびに、どきどきと心臓が高鳴っていく。
『……はい』
久しぶりに聞く雨宮の声。
押し込んでいた感情がせりあがってくる。
「う、雲類鷲です」
か細く頼りない声で自分の名前を告げるのが精一杯だった。
どうしよう。なにか言わなくちゃ。そう思うのに言葉が出てこない。
『……どうしたの? なにかあった?』
天花寺と別れ、一人とぼとぼと誰もいない廊下を歩く。
携帯電話の画面に表示されている彼の連絡先。
このままなにもしなかったら伝わらないままだ。
勇気を振り絞って、電話マークを人差し指で押す。
コール音が振動して伝わって来るたびに、どきどきと心臓が高鳴っていく。
『……はい』
久しぶりに聞く雨宮の声。
押し込んでいた感情がせりあがってくる。
「う、雲類鷲です」
か細く頼りない声で自分の名前を告げるのが精一杯だった。
どうしよう。なにか言わなくちゃ。そう思うのに言葉が出てこない。
『……どうしたの? なにかあった?』