残念系お嬢様の日常


「本日の日直の明石さんが登校した時には既に書いてあったというのは、おそらく嘘でしょうね。書いてあるはずがないもの」

「えっ、どういうことですか?」

「浅海くんは、まだ日直をされていないからご存じないかもしれないけれど、この学院では日直が足りない備品を補充するのよ」

まあ、私も漫画の知識があったから、すぐに犯人を思い出したんだけどね。


「黒板には、白いチョークで書かれていたわ。そして、教室にある白いチョークは新品で、ほんの少しだけ欠けていた。前日の朝に替えていたなら白はよく使われる色ですし、もっと削れていたはずですわ」

「な、なるほど……」

「浅海くん、この件は私に任せてくれないかしら。明石さんに直接話をしてみるわ」

私が覚えている通りなら、ここは私が話をしに行く方がいい気がする。この件は私が解決するんで、どうかお二人は恋を育てておくれ。

そんなこと任せるのは申し訳ないという浅海さんに笑顔の圧力をかけて、強引に私に任せてくれと言って押し通した。

その代わり、浅海さんから伝言だけ預かっておいた。


しゅぱぱっと済ませてやる!





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