残念系お嬢様の日常


放課後になり、早速明石さんに声をかけて教室に残ってもらった。

今日は彼女が日直なので、戸締りも彼女だし二人っきりで話すのは都合がいい。



「あ、あの……真莉亜様?」

不安げな眼差しを向けてくる明石さんはおそらく既に何か察しているようだった。


「明石さん、黒板の件ですけど」

「……っ」

「明石さん?」

「っ、申し訳ございません! 真莉亜様は全てお見通しなのですよね。ですから、朝に私に声をお掛けになったのですよね」

いや、違うんだけどね。あのときは犯人思い出していないし。そう思ってくれたならそれでいいけれど。

もっと原作ではもっと取り乱していて、浅海さんを罵倒していた気がしたから私だけで話し合おうと思ったんだけど、案外あっさりと認めて反省しているように見える。


「浅海くんが真莉亜様にスープをかけたことが許せなくて、私……っ」

確か原作だと雅様にスープをかけたことや、天花寺に声をかけられていたことが許せなかったんだよね。

明石さんはミーハーで花ノ姫や天花寺たちのファンだったはず。今回は私にスープがかかったから、きっかけが私になったのかな。




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