涙の唄。
序章
始まり
序章〜始まり
*
「ふあぁーぁ……。」
大きな欠伸をひとつ、またひとつとこぼす。
朝日が眩しい。
「おはようございます。陽斗くん。
今日からまた入院生活ですね。」
「おはようございます。先生。」
「体調は?」
「んー……。軽い怠さがありますけど、特に異常はありません。」
俺の名前は西尾 陽斗。
小さい頃から病弱で病院で入退院を繰り返している。
今日からはまた入院だ。
入院って嫌なんだよなぁ。
やることないし。
「……そんなに嫌ですか?」
「別に、慣れてます。」
「そうですか。じゃあ、さっさと着替えてください」
冷たいなぁ
少し不貞腐れるとキッと睨まれる。
先生が怖い。
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