ひまわり男子とシンデレラ
「奈々の手をは・な・せ!!」
「嫌だ」
私から久賀くんを引き離そうとするが、私の手を握る手は全くに離れない。
次第に心音の怒りも強くなってきた・・・。
あ、これはそろそろヤバイかも・・・。
「こ、心音?落ち着いて?ね?」
「・・・あ˝ぁぁぁぁ!!!久賀の保護者どこだよ!!早く引き取りにこいぃぃぃぃ!!!!」
お、遅かった・・・。
心音の怒りがピークに達してしまい、教室が一気に静まり返る。
だけどこっちに視線が集まったのは一瞬で、皆何もなかったかのように会話やさっきまでしていた作業を再開する。
私のクラスにとってこのやり取りは日常茶飯事のことになってしまい、今じゃ誰も気にしない。
始めは皆びっくりしてたのに慣れってすごい・・・。
なるべく注目はされたくないからありがたいけど・・・すべてが今更な気がして仕方ない・・・。
「翔真―。そろそろ戻ってこないと担任に怒られるぞー。あ、旭おはよ。それと山下も」
「西村くんおはよー」
「私はついでかよ!!てか、早く久賀を引き取りやがれ!!」