姉の婚約者
トイレ、とかにいるんじゃない、か?
 どこだ?壁際を見るがそれらしき表示がない。それより、この店こんなに広かったっけ?それに、私の伸ばした腕の先すら見えないぐらいに煙が立ち込めている。息苦しくなって壁に手をつくと、なぜか壁は柔らかく濡れている。おかしい、おかしい、そう思って、後ずさるといきなり、腕をつかまれた!!

「いやだ!離して!!」
 
 めちゃくちゃに暴れると、ぐいっと引き寄せられて伊沢さんの顔がそばに来た。

「そっちいくんじゃねえ。内臓に取り込まれちまうぞ
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