姉の婚約者
今は会計をすまし、伊沢さんとコンビニの前でだべっている。
「これうまいな。初めての味だ。」
生まれたてかなんかなの?よしんば長期刑に処されてたとしても無知すぎるだろ。あーあーヨーグルト服にこぼしてるじゃない。きったねえなあ。
「そんなに慌てて食べなくてもいいじゃないですか。」
「こんだけ旨いととられるかもしれないだろ?」
だれもとらねーよ!
「なんなんだよ。この人……」
「だから言ってるだろ、きゅー」
「はいはい。吸血鬼でしょ。さっきから何度も聞きましたよ。」
「お前、さては信じてないな。まあいいけどよ。ところでお前は永遠の存在って信じるか? 永遠に生き続ける生き物」
ヨーグルトのスプーンを舐めながら伊沢さんは私に聞いた。また、オカルトか。この人、自分を吸血鬼って言ったり本当におかしいんだな。
「……信じてませんよ。見たことないし。」
「俺もだ。」
意外だ。
「信じているどころか自分がそうだってっていわれるかと思ったんですけどね。」
伊沢さんがスプーンをくわえたまま遠くを見つめる表情をした。
「最近、よく考えるんだ。俺もいろいろ生き物は見たけどな、死んだ奴に会った事はねえし、死なないってやつにも会った試しがねえんだ。だが、人間は長く生きる事にこだわりすぎじゃないのか?アンチエイジングだとか、健康寿命だとかそんなの気休め程度だろ。やったところで200年いきれるわけでもあるめえし。挙句の果てには”自分は不老不死”だなんて嘯く奴までいる始末だ。俺にはそれが信じられないんだよ。生き物として正しいのは長く生きることなのか?死なねえ生き物なんかよっぽど例外じゃない限りいねえんだからそんなこと考えても意味ないんじゃねえのか?」
人間人間うるせえな。でも、そうだ、な。長生きしたい、ね。
「……死後の世界なんてわかりませんけど、別れが寂しいんじゃないでしょうかね?」
「もう終わりなのにか?」
「正味、私にもよくわかりません。でも、私が死にたくない理由ってそんなんですね。」
「死んだことを眠るって表現する生き物だもんな。人間は。また、逢う日の希望なのかね?」
「これうまいな。初めての味だ。」
生まれたてかなんかなの?よしんば長期刑に処されてたとしても無知すぎるだろ。あーあーヨーグルト服にこぼしてるじゃない。きったねえなあ。
「そんなに慌てて食べなくてもいいじゃないですか。」
「こんだけ旨いととられるかもしれないだろ?」
だれもとらねーよ!
「なんなんだよ。この人……」
「だから言ってるだろ、きゅー」
「はいはい。吸血鬼でしょ。さっきから何度も聞きましたよ。」
「お前、さては信じてないな。まあいいけどよ。ところでお前は永遠の存在って信じるか? 永遠に生き続ける生き物」
ヨーグルトのスプーンを舐めながら伊沢さんは私に聞いた。また、オカルトか。この人、自分を吸血鬼って言ったり本当におかしいんだな。
「……信じてませんよ。見たことないし。」
「俺もだ。」
意外だ。
「信じているどころか自分がそうだってっていわれるかと思ったんですけどね。」
伊沢さんがスプーンをくわえたまま遠くを見つめる表情をした。
「最近、よく考えるんだ。俺もいろいろ生き物は見たけどな、死んだ奴に会った事はねえし、死なないってやつにも会った試しがねえんだ。だが、人間は長く生きる事にこだわりすぎじゃないのか?アンチエイジングだとか、健康寿命だとかそんなの気休め程度だろ。やったところで200年いきれるわけでもあるめえし。挙句の果てには”自分は不老不死”だなんて嘯く奴までいる始末だ。俺にはそれが信じられないんだよ。生き物として正しいのは長く生きることなのか?死なねえ生き物なんかよっぽど例外じゃない限りいねえんだからそんなこと考えても意味ないんじゃねえのか?」
人間人間うるせえな。でも、そうだ、な。長生きしたい、ね。
「……死後の世界なんてわかりませんけど、別れが寂しいんじゃないでしょうかね?」
「もう終わりなのにか?」
「正味、私にもよくわかりません。でも、私が死にたくない理由ってそんなんですね。」
「死んだことを眠るって表現する生き物だもんな。人間は。また、逢う日の希望なのかね?」