大関くんの背中は暑かった。
「…そ、んな……」
お父さんは力なくそう呟くと目にいっぱい涙をためていた。
「それで、これから先いつになるかは分からないが、入院が必要になってくるんだ」
後藤先生もきっとこんなこと言うのは辛いんだと思う。決して喜べる情報ではないから。
「入院するということはそれだけ危険な状態ということになるんだけど、それはわかるよね?」
コクンッと一度大きく頷く。
「そこで、可能性はすごく低いんだけどね、早めに入院をして手術を受けてもらうということもできるのだけど。どうかな?」
「その手術を受けたとして生存率は上がるんですか?」
あまりしてはいけない質問だったのかもしれない。
暗くなっていた後藤先生の顔色がさらに悪くなってしまった。
「正直手術を受けたとしても、生存率は45%ほどにしかならない…。」