3年経ってしまった、消せない話
次に世界が色づいた時、目に映ったのは真っ白で何もない。

ああ、死んでしまったのかと思った。

けど、その考えは数秒で消えた。

腕に管が繋がっていて、身体には何かがかかっている感触と柔らかい感触があった。

それに頭はまだぼんやりして。思考回路がまだ可笑しい。

“気が付いたか?”と聞きなれた声がした。喧嘩したあいつだった。

その後、誰かを呼びに行った。それから色々何かやられたけど、覚えていない。

一通りの流れが済んだ所で、あいつがまた来た。


聞けば雨の中でぶっ倒れていたらしく、誰かが通報して病院に運ばれた、らしい。

高熱で酷くうなされていて、一時は死んでしまうんじゃないかと言われていたそうだ。

そして1番驚いたのは、今日が5日後だった事。

5日も寝てたと言う感覚は全くなかった。
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