3年経ってしまった、消せない話
「先生」


白い空間に響いた小さな声。薄い青を纏った人間。

それに反応するのは同じ白の人間であった。

その反応を見た声の主は、こう言った。


「何時、治るのですか?」


決まって白の人間はこう答える。


「まだまだ先だよ。何時かまでは言えないけれど」


薄い青を纏った人間も決まってこう答える。

“そうですか”と。

毎日飲む薬を貰う度にこの言葉の投げ合いがある。

それは1字1句変わらない投げ合いであった。

飽きるほどに続いたそれは、

薄い青を纏った人間が急変して幕を閉じた。


「せん…せ…い」


白の人間は驚くほどの冷静さで反応した。
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